Webマーケターの離職率は高い?データが示す真実と「やめとけ」と言われるリアルな理由

新しい業界へ飛び込もうとする際、その業界のリアルな定着率や労働環境が気になるのは当然のことです。
申し遅れました。株式会社スケールゲート代表の西村と申します。
私はこれまで、アフィリエイター、広告代理店のプレイヤー、そしてフリーランスのWebマーケターとして現場で数多しごかれてきました。
アフィリエイター時代にはMAX月間120万円の成果報酬を稼ぎ、広告代理店時代には年間4億円規模の広告運用を経験。マネージャーとして10名以上のプロマーケターを育成してきた実績もあります。
そして現在は、広告代理店の戦略的パートナーとしてWebマーケティング事業および人材支援業を展開する会社を経営しています。
「現場第一主義」で業界の酸いも甘いも噛み分けてきた私だからこそ、ネット上の薄っぺらい噂話ではなく、「Webマーケターの離職率の真実」を包み隠さずお話しすることができます。
しかし、「なぜ高く見えるのか」、そして「実際に辞めていく人はどのような理由で辞めるのか」には、この業界特有の深い理由があります。
本記事では、国が発表している客観的なデータに基づきつつ、私が現場で見てきたリアルな実態、他サイトには書かれていない「ポジティブな離職」の裏側まで、徹底的に解説いたします。
この記事を読み終える頃には、あなたの不安は「クリアな覚悟」へと変わっているはずです。
目次
1.Webマーケターの離職率は本当に高いのか?データで紐解く真実
ネット上では「Webマーケティング業界は離職率が高くてブラックだ」とまことしやかに語られていますが、まずは客観的なデータを見てみましょう。
厚生労働省のデータが示す「平均以下の離職率」
実は、Webマーケティング業界(情報通信業)の離職率は、日本の全産業の平均よりも低い水準にあります。
厚生労働省が発表している「令和4年(2022年)雇用動向調査結果の概要」によると、日本の全産業における平均離職率は15.0%です。一方で、Webマーケティングが含まれる「情報通信業」の離職率は11.9%となっています。
【引用元データ】
厚生労働省:令和4年(2022年)雇用動向調査結果の概要https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/index.html
このように、データを見る限り「Webマーケティング=極端に離職率が高い」というのは完全な誤解であることがわかります。
なぜ「離職率が高い」と誤解されるのか?
では、なぜこれほどまでに「やめとけ」「離職率が高い」という噂が絶えないのでしょうか。それには主に3つの背景があります。
一部の「激務な広告代理店」のイメージが先行している
Webマーケティングと一口に言っても、自社のサービスを売る「事業会社(インハウス)」と、他社のマーケティングを代行する「広告代理店」では労働環境が大きく異なります。
一部の過酷な労働環境にある広告代理店の口コミがネット上で拡散され、業界全体のイメージになってしまっているのです。
未経験者の「理想と現実のギャップ」
「カフェでMacBookを開いてスマートに仕事をする」といった華やかなイメージだけで入社した未経験者が、実際の泥臭い業務(大量のデータ分析やエクセル作業)に耐えられず、早期離職してしまうケースが一定数存在します。
「ステップアップのための退職(ポジティブな離職)」が多い
これが最も重要なポイントです。Webマーケティング業界は個人のスキルが直に市場価値に直結するため、独立や引き抜きによる退職が非常に多いのです。
(これについては後章で詳しく解説します)
2.Webマーケターが「辞めたい」と感じる4つのネガティブな理由
データ上は低くても、実際に離職していく人がいるのは事実です。ここからは、私がマネージャーとして多くのマーケターを見てきた中で感じた、よくある「ネガティブな離職理由」を赤裸々にお伝えします。
① 変化が激しく、終わりのない学習プレッシャー
Webマーケティングの世界は、昨日までの常識が今日には通用しなくなることが日常茶飯事です。
Googleのアルゴリズム・アップデート、新しいSNSの台頭、AI技術の進化など、常に最新情報をキャッチアップし続けなければなりません。
② 数字(成果)に対するダイレクトな重圧
この仕事の残酷であり、かつ面白いところは「すべての結果が数字として明確に出る」ことです。アクセス数、コンバージョン率、顧客獲得単価(CPA)など、言い逃れのできない数字が毎日突きつけられます。
特に広告代理店でクライアントの予算を預かって運用する場合、「何十万円もの広告費を使って、成果がゼロだった」という事態も起こり得ます。
このシビアなプレッシャーと責任感に胃を痛め、精神的に病んでしまうケースも少なくありません。
③ 華やかなイメージと「泥臭い実務」の強烈なギャップ
多くの人が「クリエイティブで華やかな仕事」を想像しますが、実態は真逆です。
日々の業務は、何万行もあるエクセルのデータと睨めっこしたり、広告文の「てにをは」を1文字変えてA/Bテストを繰り返したり、タグの設置エラーを地道に探したりするような、非常に地味で泥臭い作業の連続です。
④ 広告代理店特有の「クライアントワーク」による疲弊
広告代理店に勤務する場合、どれだけ優れた施策を考えても、最終的な決定権はクライアント(顧客)にあります。
クライアントからの急な仕様変更、無茶な納期、休日のトラブル対応など、人間関係や板挟みのストレスに疲弊してしまうパターンです。
組織が不安定なベンチャー企業などでは、上司のマネジメント不足も相まって離職が加速しやすくなります。
3.実はこれが圧倒的に多い!「ポジティブな離職」が業界の離職率を押し上げる理由
さて、ここからが他のサイトではあまり深く語られていない、現役経営者だからこそお伝えできる核心です。
Webマーケティング業界において「退職」は必ずしもネガティブなものではありません。(経営者からするとスタッフの退職は損失ですが..)
むしろ、優秀な人材ほど短期間(2〜3年)で会社を去っていきます。これこそが「Web業界は人の入れ替わりが激しい」と言われる最大の理由です。
① フリーランスとしての独立(私自身もそうでした)
Webマーケティングのスキルは、パソコンとネット環境さえあればどこでも価値を生み出すことができます。会社の看板がなくても、個人の実力だけで稼げるようになるのです。
実力がつけば、会社員として月給30万円をもらうよりも、独立して複数のクライアントと直接契約した方が圧倒的に稼げますし、自由度も高まります。
「優秀なマーケターほど独立して辞めていく」のは、業界の必然なのです。
② 事業会社(インハウス)へのキャリアアップ転職
広告代理店でハードなクライアントワークを数年経験し、確固たるスキルを身につけた後、自社サービスを持つ事業会社のWebマーケティング担当(インハウスマーケター)へと転職するルートです。
事業会社であれば、ひとつのサービスにじっくり向き合うことができ、労働環境も安定しやすい傾向があります。「代理店で修行して、事業会社へ転職する」というのは、この業界の王道のキャリアパスであり、これも一つの「ポジティブな離職」です。
③ プロマーケターとしてのヘッドハンティング
現在、日本のあらゆる業界でデジタル人材が圧倒的に不足しています。経済産業省の予測でも、将来的なIT人材の不足が指摘されているのはご存知の通りです。
そのため、実績を出しているWebマーケターのもとには、他社からの引き抜きの声が日常的にかかります。
- 「年収を150万円上げるからうちに来てほしい」
- 「新規事業のマーケティング責任者(CMO)として迎えたい」
といった魅力的なオファーにより、より良い環境へステップアップしていく人が一定数います。
4.離職せず、第一線で活躍し続けるWebマーケターの3つの特徴
私はこれまで、広告代理店のマネージャーとして10名以上のプロマーケターを育成し、輩出してきました。その経験から、「すぐに辞めてしまう人」と「第一線で圧倒的な成果を出し続ける人」の違いは明確です。
これからWebマーケターを目指すあなたは、ぜひ以下の特徴を持った人材を目指してください。
自発的なインプットを「苦」ではなく「趣味」にできる人
「会社が教えてくれないからできない」という受け身の姿勢では、この業界で生き残ることは不可能です。
最新のマーケティング手法や世の中のトレンドに興味を持ち、休みの日に自分でブログを立ち上げてみたり、SNSを本気で運用してみたりと、知的好奇心を持って自発的に学習できる人は必ず伸びます。
数字遊びではなく「ビジネスの成長」を楽しめる人
アクセス数やクリック率の改善といった「点」の数字だけを見るのではなく、「どうすればクライアントの売上が上がるのか」「どうすれば自社の事業がスケールするのか」という、ビジネス全体の視点を持てる人は、仕事のやりがいを見失いません。
仮説検証(PDCA)を泥臭く回し続けられる人
5.失敗しない!定着率が高く成長できるWebマーケティング会社の選び方
「未経験からWebマーケターになりたいけれど、ブラック企業に入って早期離職するのは避けたい」
そう考える方のために、現場第一主義の私から、企業選びの明確なアドバイスをお伝えします。
教育体制と「プロセスの評価軸」があるかを見極める
求人票にある「未経験歓迎!」という甘い言葉だけで飛びついてはいけません。重要なのは、「未経験者をプロに育てるための教育ノウハウやカリキュラムが社内にあるか」です。
面接の際に、「未経験で入社した方が、どのようなステップで業務を習得していくのか教えてください」と質問してみてください。
ここで明確な回答が返ってこない会社は、現場に放り込んで放置する可能性が高いです。(私はこの環境のほうが性に合っていますが。笑)
また、評価基準が「売上」や「目標達成率」といった結果だけでなく、そこに至るまでの「プロセス(仮説検証の質や行動量)」も評価してくれる社風かどうかを見極めることも、定着率の高い企業を選ぶポイントになります。
Webマーケティング業界に強い転職エージェントを活用する
一人で優良企業を見極めるのは非常に困難です。業界の内情を深く理解しているプロの力を借りることを強くおすすめします。
6.まとめ:Webマーケターの離職率は「実力主義の証」。恐れず挑戦しよう!
Webマーケターの離職率は、厚生労働省のデータが示す通り、決して他業界と比べて異常に高いわけではありません。
むしろ、「離職率が高い」と言われる背景には、実力をつけた人間が独立やキャリアアップを果たしていく「ポジティブな新陳代謝」が隠されているのです。
もちろん、変化の激しさや数字へのプレッシャー、泥臭い業務といった厳しい側面があるのは事実です。
とにかく諦めないでください。
私自身、異業種からこの世界に飛び込み、数え切れないほどの失敗と泥臭い経験を重ねて今の会社(スケールゲート)を創業するに至りました。
もしあの時、「やめとけ」というネットの声に怯えて挑戦を諦めていたら、今の私は絶対に存在しません。
Webマーケティングは、あなたの人生を大きくスケールさせる可能性を秘めた、本当に面白く、やりがいのある仕事です。
世間の噂や表面的なデータに惑わされることなく、ぜひあなたの目で、あなたの意志で、この魅力的な世界へ一歩を踏み出してみてください。
現役のWebマーケターとして、そして経営者として、あなたの挑戦を心から応援しています!


